あなたが望めば性格は変わる
「性格は変えられませんよね?」こんな言葉をよく耳にします。
性格って何でしょうか?
宮城音弥という心理学者が同心円構造というのを唱えました。人間にはまず遺伝や体質と結びついた<気質>があり、次に幼児期に環境に影響されて形成される<気性>があり、それから社会的・文化的影響から形成される<習慣的性格>社会的・職業的に形成される<役割的性格>が加わるという構造です。
ドイツ人のクレッチマーは体型と性格特徴に関係を見出して類型(タイプ分けですね)しました。ユングは外向型と内向型のふたつに思考・感情・感覚・直感を組み合わせて8つに類型しました。これらは人によってそもそも持っている質が違うという考え方ですね。
この<気質>については、ずいぶん昔から提唱されています。「医学の祖」と呼ばれるヒポクラテスは4大体液論を唱えていますし、人智学のシュタイナーも人間には4つの気質があり、初等教育にはこの理解が欠かせないとしています。
一方で特性論があります。誰でもすべての特性(協調的とか支配的とか神経質など)を持っているけれど、ある特性が強いか弱いか、多いか少ないか、質ではなくて特性の量の違いがパーソナリティだとする考え方です。これらを客観的・分析的に見ようとして性格検査や心理テストは実践されているのですね。量の違いなら変化しても不思議ではありません。「後天的な影響」を受けてもおかしくはありませんね。
持って生まれた質や気質というのは変える事ができなくても、その量やバランスは変える事が可能なのですね。ですから、性格は変えることができるのです。
「性格」の中身はさまざまな組み合わせだといえますね。私の「性格の中身」が5カップの液体で構成されているとしましょう。だし汁2カップ、みりん1カップ、お醤油1カップ、お酒1カップだとします。もしお醤油が少なくなったら、何かを増やさないと5カップにならないでしょう。どこかが変化すれば、全体のバランスは変わるのですね。バランスが変化すれば味も変化します。
心理療法のひとつである再決断療法の立場ですと、たくさんの「決断」(
再決断療法・
カウンセリングで解決した事をご参照ください)の集まりが性格だといわれています。再決断療法では決断を変えていきます。性格の一部となっているひとつの決断を変える、ということは性格をつくっている中身のバランスが変化することですね。
大切なのは、自分がどういう質や傾向やパターンをもっているのかに気づくことです。自分のしていることに気づいたら別の方法があるかどうか考えることもできますね。別の方法もあることに気づいたらどうしたいかを自由に選んでいくことができるのです。
そうするためには「今ここ」に生きていくことが大切なのですね。
私たちは未来のことを想像して不安になったり心配になったりしています。過去の事を思い返して悲しんだり、がっかりしたりしています。過去を思い返しては「また、こうなるかもしれない」と未来を想像し、怯えます。そして今起きている事をその想像の枠の中で見てしまいます。
いま自分のしていること、いま自分が感じていることに気づいて、受け入れることから始めましょう。その時、性格を構成している特性のバランスは変化に向けて準備が整います。